足元の景気状況

足元の景気状況について、日銀の黒田総裁は「引き続き厳しい状態にあるが、経済活動が徐々に再開する下で持ち直しつつある」と指摘。先行きは不確実性が極めて大きいものの「標準的なシナリオとしては、感染症の影響が和らいでいくもとで改善基調をたどる」との見通しを示した。

ただし、企業や家計の自主的な感染防止の取り組みが経済活動を抑制するため、改善のペースは緩やかなものにとどまるとした。

消費者物価の前年比は当面、「GoToトラベル事業」による宿泊料の割引の影響などでマイナスで推移すると予想されるものの、「現時点では、値下げにより需要喚起を図る価格設定行動が広がっているようにはうかがわれない」と指摘した。

足元の物価動向について、黒田総裁は会見で、展望リポートや決定会合時の声明文に沿った動きだと述べた。

経済・物価の先行きについては、下振れリスクの方が大きいと指摘。企業は必要な成長投資の多くを継続するスタンスにあり、情報通信技術の活用など前向きな変化もみられるため「成長期待が大きく低下しているとは考えていない」とする一方、今後の動向は注視したいとのこと。

今後の焦点は、資金繰り支援の終了タイミングに移りつつある。JPモルガン証券の西原里江アナリストは、リーマン危機後に施行された中小企業金融円滑化法を例に挙げ、長期間の支援が中小企業の労働生産性向上を妨げ、「ゾンビ企業がいつまでも残ってしまった」と指摘。必要以上の長期化は「コロナ対策ではなく、市場規律の部分で負になる」との見方を示す。

日銀の黒田東彦総裁は、退出すべき企業が長く生き延びて経済全体にマイナスになるという「ゾンビ企業論」が「今の時点で議論になり、深刻になるとは思っていない」と懸念を7月時点では否定している。経済回復のスピードが緩やかであることを理由に、資金繰り支援は「まだかなり続ける必要があるのではないか」とも述べている。

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